事業系ゴミ・産業廃棄物に関する品目・用語・覚えておくべきキーワード集
近年、環境保護のために産業廃棄物のリサイクルが注目を集めています。ガラスくずはリサイクルの対象となることが多い産業廃棄物です。適切な処理方法やリサイクルの方法について知ることは、産業廃棄物排出業者にとっての課題とも言えるでしょう。
この記事では、ガラスくずの種類や適切な処分方法、リサイクル方法、環境負荷低減方法について詳しく解説します。処理方法や環境負荷低減方法についてお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。
ガラスくずは一般的な燃えるごみには含まれず、産業廃棄物として扱われます。そのため、自治体が定める産業廃棄物処分場での処分が必要です。主に次のような方法でガラスくずは処分されます。
・埋立
・リサイクル
ガラスくずの処分方法を選択する際には、次のようなポイントを抑えておく必要があります。また、ガラスくずの排出量や廃棄物処分法などに基づき、処分方法を選択することも重要です。
・処分に必要な費用
・処分先との距離
・環境負荷 など
ガラスくずのリサイクル方法は、主に2つあります。
1つ目は、再溶解法によるリサイクルです。ガラスくずを高温で溶かして、再びガラス製品として利用する方法です。この方法は、新規の原料としてガラスを作る必要がなくなるため、自然環境における鉱物の採掘や、エネルギー消費量の削減につながります。
2つ目は、アップサイクル法によるリサイクルです。アップサイクル法とは、廃棄物を再利用することで、より価値の高い製品を作り出す方法のことです。ガラスくずを利用して、装飾品や建築材料などを製造できます。
ガラスくずのリサイクルにおける課題として、次のようなものがあげられます。
ガラスくずは、汚染物質の混入によって再利用やリサイクルが困難になる場合があります。例えば、窓ガラスにフィルムが貼られている場合、フィルムが残っていると再利用ができなくなります。
ガラスくずは繰り返し使用されることで、品質が低下していきます。品質を保つためには、適切な処理を行う必要があるため、業者にとってもコストが必要です。
ガラスくずをリサイクルするには、収集・運搬のコストがかかります。またガラスくずの量が少ない場合は、リサイクルの処理が困難になることもあります。
ガラスくずをリサイクルするための施設は、数が限られていることがあります。そのため、リサイクルによる再利用ができない場合があります。
ガラスくず処分の環境負荷を軽減する方法
ガラスくずの処分の方法として、廃棄物処分場に埋められる場合があります。
埋め立てには大量のスペースが必要であり、土地の浪費や地盤沈下、地下水汚染などの環境負荷が生じます。また、焼却処分を行う場合は、二酸化炭素や窒素酸化物などの有害物質を排出するため、大気汚染の原因となります。
ガラスくずのリサイクルによって、ガラス原料の需要が減少し、天然資源の節約につながります。
また、製造時のエネルギー消費量も削減されます。ガラスくずは、リサイクルによって破砕された後、ガラス原料として再利用されるため、埋め立て処分や焼却処分に比べて環境への負荷を大幅に軽減できるでしょう。
ガラスくずの種類や処分方法、リサイクル方法、そして環境負荷を軽減するための方法について解説してきました。産業廃棄物排出業者として、ガラスくずの処分やリサイクルについて十分に理解し、環境負荷を軽減する取り組みを行うことが求められます。
ガラスくずをリサイクルすることで、貴重な資源の再利用につながり、環境負荷も軽減することができます。今後も、環境保全に配慮した産業廃棄物の処理に積極的に取り組んでいきましょう。
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