事業系ゴミや産業廃棄物の法令・条例解説

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事業系ゴミや産業廃棄物の法令・条例の基本ルールと罰則について

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廃棄物処理法(廃掃法)とは?適用される法律と条文を理解しよう!廃掃法改正のポイントと業者が把握しておきたいこととは?

2024/03/27

廃棄物処理法(廃掃法)とは

事業者の廃棄物処理に関するルールや罰則などが規定されている法律として、廃掃法(廃棄物処理法)というものがあります。今回は、廃棄物処理法の内容と2022年に改正された内容について紹介していきます。

廃棄物処理法(廃掃法)

廃掃法(廃棄物処理法)は、正式には「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」で、清掃法を全面的に改正・廃止する形で昭和45年(1970年)12月25日に公布されました。

廃掃法は「廃棄物の排出を抑制し、及び廃棄物の適正な分別、保管、収集、運搬、再生、処分等の処理をし、並びに生活環境を清潔にすることにより、生活環境の保全及び公衆衛生の向上を図ること」(廃掃法第1条)であると定められています。

廃掃法が成立する前には、高度経済成長によって大量生産、大量消費が進んだことで、処理しなければならない廃棄物が増加したが、既存の処分場ではこれらすべてを処理できるキャパシティがなかったこと、また処理価格が高騰したことで、適切に処理せず、不法投棄を実施する業者も多くみられたということがありました。

廃棄物を減らし、既存の処分場でまかなえるようにすること、不適切な処理をしたり、不法投棄したりする業者を増やさないことを目的として廃掃法が成立したとされています。

廃棄物処理法(廃掃法)の定義

廃棄物処理法(廃掃法)の定義

廃掃法における廃棄物とは、ごみ、粗大ごみ、燃え殻、汚泥、ふん尿、廃油、廃酸、廃アルカリ、動物の死体その他の汚物又は不要物であって、固形状又は液状のもの(放射性物質及びこれによって汚染された物を除く)」(廃掃法第2条1項)であり、これらは一般廃棄物と産業廃棄物に大別されます。

一般廃棄物とは、産業廃棄物で指定されている以外の廃棄物のこと(廃掃法第2条2項)です。

産業廃棄物とは、事業活動に伴って生じた廃棄物のうち、燃え殻、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック類その他政令で定める廃棄物(廃掃法第2条4項1号)や、船舶及び航空機の航行に伴い生ずる廃棄物、本邦に入国する者が携帯する廃棄物(廃掃法第2条4項2号)のことであるとされます。

どちらの場合でも、爆発性、毒性、感染性その他の人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがある性状を有するものは特別管理一般廃棄物と呼ばれます(廃掃法第2条3項、第2条5項)

廃棄物処理法(廃掃法)の法改正

廃棄物処理法(廃掃法)の法改正

ここでは、改正の背景になった問題と合わせて法改正の内容を説明していきます。

廃棄食品不正転売問題(2016年)

2016年に廃棄物処理業者が、食品製造業者から受け取った廃棄食品を不正に転売し、それを買い取った会社がさらに販売するという事件が発生し、産業廃棄物の不適正な処理が社会的に大きな問題になりました。

廃棄物の処分を依頼した会社はきちんとマニフェストを発行していましたが、廃棄物処理業者が虚偽の記載を行っていました。この問題を受け、2017年の国会で以下のような改正が行われることがきまり、この改正の内容は、2018年4月、2020年4月の2回に分けて施行されることになりました。

厳罰化(廃掃法第27条の2第1号)

改正前は、「6か月以下の懲役、又は50万円以下の罰金」でしたが、この事件を契機に罰則を強化すべきではないかという声が上がり、2018年4月施行分より「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」に厳罰化されることになりました。

無許可業者への改善命令(廃掃法15条の3の2)

2016年に問題となった廃棄物処理業者は、自らの処理能力を超える大量の廃棄物を引き受けていたため、多量の廃棄物が放置された状態でした。

しかし、改正前の廃掃法で定めている改善命令は、許可を受けた廃棄物処理業者に対してのみ有効であり、許可を取り消された業者に対しては効力を持ちませんでした。

そのため、当該廃棄物処理業者の許可を取り消してしまうと、廃棄物が放置された状態を改善するよう命令を出すことができませんでした。そこで、許可を取り消した業者に対しても、改善命令を出すことができるよう改正されました。(2018年4月施行分)

一定事業者に対する電子マニフェストの使用義務化(廃掃法第12条の5)

一定事業者に対する電子マニフェストの使用義務化

産業廃棄物の不適正な処理を防止することを目的として、2020年4月1日施行分より前々年度のPCB廃棄物を除く特別管理産業廃棄物の発生量が50トン以上の事業場に対して電子マニフェストの使用が義務付けられました。

不適正な処理事件が発生することを予防するためには、紙のマニフェスト(産業廃棄物管理票)ではなく 電子マニフェストを活用したほうが効果的であると判断されたため、電子マニフェストの使用が義務付けられました。

雑品スクラップの問題

使用済みの電子機器は、廃掃法に則って適切に処分されていれば問題ありませんが、粉砕されただけの状態など、最終処分されていない雑品スクラップとして放置されているという問題がありました。

雑品スクラップは解体業者や工場などで排出され、その多くは廃棄物回収業者などを通じて雑品スクラップ業者の保管場に運ばれ、野積みにされることが多くありました。

しかし、雑品スクラップの中に鉛等の有害物質が含まれてた場合には、土壌汚染を引き起こす可能性があり、燃焼物質が含まれていた場合には、ずさんな管理と相まって火災が発生するケースが散見されました。

このような事態に対処すべく、雑品スクラップの扱いについて2017年に改正が行われました(施行は2018年4月)。

有害使用済機器の適正な保管等の義務化(廃掃法第17条の2)

雑品スクラップの保管・処分を事業として行う事業者に対して、都道府県知事への事業の届出と、雑品スクラップの保管・処分について、廃掃法で定める処理基準を遵守することが義務化されました。

これにより、雑品スクラップの事業者が処理基準に違反している状態で雑品スクラップを保管している場合には、行政による立入検査を受けたり、指導・是正命令等を受けたりする可能性があります。

まとめ

廃掃法の内容と2017年に行われた法改正の内容

今回は、廃掃法の内容と2017年に行われた法改正の内容について説明しました。廃掃法が、廃棄物の処理に関する問題が起こり、社会問題となることでその内容が改正され、時代に即した内容に変わります。

そのため、今後も改正されることがありますので、改正が行われる場合には、内容と施行のタイミングをきちんと抑えておくようにしてください。

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