事業系ゴミや産業廃棄物の法令・条例解説

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事業系ゴミや産業廃棄物の法令・条例の基本ルールと罰則について

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【5分でわかる】循環型社会形成推進基本法とは?目的と基本理念を分かりやすく解説します

2023/08/04


突然ですが、「循環型社会形成推進基本法」という言葉を聞いたことがありますか?この法律は、文字通り循環型社会の形成を推進するために、目指すべき姿と基本方針を定めた法律です。今回は、この法律について説明していきます。なお、本記事で「同法」は、「循環型社会形成推進基本法」のことを指すものとします。

循環型社会形成推進基本法の概要


循環型社会形成推進基本法は、廃棄物の発生を抑制し、循環資源はできる限り3R(リデュース、リユース、リサイクル)を実施することで資源を循環させる仕組みを作り、環境への負荷を最小限に抑えた社会を目指すために平成12年(2000年)6月2日に公布されました。

循環型社会形成推進基本法の制定背景

平成8年度時点でのリサイクル率は、一般廃棄物が約10%、産業廃棄物が約42%であり、平成8年度の段階で最終処分場の残余年数は、一般廃棄物で8.8年、産業廃棄物で3.1年という試算が出されました。

また、当時の一般廃棄物の発生量は約5千万トン、産業廃棄物の発生量は約4億トンで推移していました。このことを受け、環境庁(現在の環境省)は、廃棄物の抑制・リサイクルの促進のための対策を進めていました。

その中で、平成11年10月の与党政策合意において、「平成12年度を「循環型社会元年」と位置づけ、基本的枠組みとしての法制定を図る」こととされ、平成12年5月9日の衆議院本会議、5月26日の参議院で可決され、「循環型社会形成推進基本法」が成立しました。

ちなみに、令和2年度(2020年度)の一般廃棄物の発生量は約4千万トン、産業廃棄物の発生量は約3億9千万トン(速報値)で一般廃棄物の量は減少しましたが、産業廃棄物の量はそれほど変わりませんでした。また、同年度のリサイクル率は一般廃棄物で約20%、産業廃棄物で53%(速報値)で改善されたことがわかります。

さらに不法投棄の件数が平成10年度では1,273件で、平成5年度の4.6倍にまで増大していたことも法案制定の背景にあります。

循環型社会形成推進基本法の基本方針

循環型社会形成推進基本法の基本指針として、

①廃棄物・リサイクル対策を総合的かつ計画的に推進するための基盤を確立すること

②個別の廃棄物・リサイクル関係法律の整備を行うこと

以上を遵守し、循環型社会の形成に向け実効ある取組の推進を図るとしています。

①に関しては、循環型社会形成推進基本計画を策定し、廃棄物処理施設の整備や電子マニフェストの導入、廃棄物の排出量・リサイクル率の把握などを実施しています。

②の関係法律の整備の一環として、同法と一緒に廃棄物処理法、再生資源利用促進法の改正、建設資材リサイクル法、食品リサイクル法、グリーン購入法が成立しました。その他にも、家電リサイクル法や容器包装リサイクル法などの法律も整備されています。

循環型社会形成推進基本法の内容


同法では大きく以下のようなことが規定されています。

1) 「循環型社会」の姿を明示

「循環型社会」とは、廃棄物等の発生抑制、循環資源の循環的な利用及び適正な処分が確保されることによって、天然資源の消費を抑制し、環境への負荷ができる限り低減される社会のこと(同法第2条第1項)

2) 「循環資源」の定義

同法の対象となる物を有価・無価を問わず「廃棄物等」とし、廃棄物等のうち有用なものを「循環資源」と定義(同法第2条第1項、2項)

3) 処理の「優先順位」を法定化

発生抑制(リデュース)、再使用(リユース)、再生利用(リサイクル)、熱回収(サーマルリサイクル)、適正処分の順で優先される(同法第6条、7条)

4) 国、地方公共団体、事業者及び国民の役割を明確化

事業者・国民の「排出者責任(廃棄物を出す人が3Rに務め、その適正な循環や処分について責任を負う)」を明確化し、「拡大生産者責任(生産する製品等について使用され廃棄物となった後まで生産者が一定の責任を負う)」の一般原則を確立(同法第11条、12条、18条、20条)

5) 政府による「循環型社会形成推進基本計画」の策定

中央環境審議会の意見を聴取したうえで、環境大臣が循環型社会形成推進基本計画の原案を策定し、関係大臣と協議し、閣議決定により策定したものを国会に報告し、また5年ごとに見直しが必要(同法第15条、16条)

なお、計画の策定に関しては、多種多様な地域循環共生圏形成による地域活性化、ライフサイクル全体での徹底的な資源循環、適正処理の更なる推進と環境再生が支柱となっています。

6) 循環型社会の形成のための国の施策を明示

廃棄物等の発生抑制のための措置(同法第17条、23条)

「排出者責任」の徹底のための規制等の措置(同法第18条)

「拡大生産者責任」を踏まえた措置(製品等の引取りや循環的な利用の実施、製品等に関する事前評価など)(同法第18条、20条)

再生品の使用の促進(同法第19条)

環境保全上の支障が生じる場合、原因事業者にその原状回復等の費用を負担させる措置(同法第21条、22条)

補足:3Rとは?

3Rとは、リデュース(Reduce)、リユース(Reuse)、リサイクル(Recycle)の頭文字をとったもので、この順番で実施されることが望ましいとされています。

リデュースとは、廃棄物の発生を抑制すること、製品をつくる時に使う資源の量を少なくすることを指します。消費者であればできる限り詰め替え用の物を利用することなど、事業者側であれば修理や点検等のアフターサービスを充実することにより、製品の長期使用を可能にすることなどがあります。

リユースとは、使用済み製品やその部品等利用できる部分を繰り返し使用することです。消費者であれば、食品トレイなどを廃棄せずに回収に出すことなど、事業者であれば使用済み製品を回収して本体や部品などを使用し、再び新品同様の製品を作り出すことなどがあります。

リサイクルとは、廃棄物等を原材料やエネルギー源として再生利用することです。消費者であればペットボトルやアルミ缶などの資源ごみの分別回収に協力することなど、事業者であれば製品をつくる時に、できるだけリサイクル原材料を使うことなどがあります。

まとめ

循環型社会形成推進基本法3R

今回は、循環型社会形成推進基本法について説明してきました。以前までの大量生産大量消費の時代は終わりを迎え、限りある資源を最大限有効活用する方法を模索していかなければなりません。そのためには、日ごろから3Rを意識した行動が必要になってくるでしょう。

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