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【産業廃棄物】ゴムくずとは?リサイクルや再利用方法を紹介!環境負荷と削減策について考えましょう

2024/05/03

ゴムくずとは、産業や生活の中で発生する天然ゴムの廃棄物です。紙くずや繊維くずとは異なり、幅広い産業から排出されます。

また、ゴムくずに関する法律や環境省の規制が存在し、適切な処理が求められています。

ゴムくずに関する理解を深めるために、ゴムくずの定義や処理方法、そしてその影響について解説していきます。

1. ゴムくずとは?

ゴムくずとは

ゴムくずとは、天然ゴムの原料で構成された廃棄物のことです。紙くずや繊維くずとは違い、排出される産業が限られるものではありません。

ゴムくずについては、清掃に関する法律施行令第2条5号(廃棄物処理法第2条4項1号)や環境省が1971年10月25日に公布した「廃棄物の処理及び清掃に関する法律の運用に伴う留意事項について」で定められています。

ゴムくずというと、廃タイヤ等をイメージしがちですが、合成ゴムを主原料とした廃棄物はゴムくずではなく「廃プラスチック類」として扱われますので、注意が必要です。

環境省が発表した令和元年度の「産業廃棄物の排出・処理状況等」によると、ゴムくずの年間排出量は17千トンで、排出量そのものは決して多くはありません。

しかし処理状況をみると、再生利用が約6割、最終処分が約2割となっており、再生利用率は産業廃棄物全体の中でも低いことになります。

また、最終処分率は、燃え殻に次ぐ2位の数値となっており、処理方法に関する課題が残っている産業廃棄物です。

2. 天然ゴムと合成ゴム

天然ゴム

天然ゴム

天然ゴムとは、ゴムノキから採取される樹液であるラテックスを加工して作られるものです。

天然ゴムの生産地は、主にタイやインドネシア、マレーシア、ベトナムといった東南アジアで、タイヤ・チューブや布テープの接着剤、輪ゴムなどに活用されています。

天然ゴムは熱や薬品類に弱いという特徴がありますが、強度や弾力性、耐摩耗性などは合成ゴムよりも優れています。

天然ゴムの多くは、タイヤ・チューブに利用され、身近なものでは布テープの接着材や輪ゴム等に利用されています。

合成ゴム

合成ゴム

合成ゴムとは原料である原油から石油を精製する過程で発生するナフサを用いて製造するもので、タイヤや長靴などが該当します。

合成高分子化合物が含まれているゴムは合成ゴムと呼ばれ、産業廃棄物としてはゴムくずではなく廃プラスチック類に分類されます。

そのため、先にも述べましたが、合成ゴムが主原料である廃タイヤは廃プラスチック類となります。

合成ゴムは天然ゴムと比べて強度や柔軟性が劣りますが、天然ゴムよりも安価に、さまざまな性質をもった製品を作ることができる点で重宝されています。

3. ゴムくずの具体例

ゴムくずとは天然ゴムを利用したものに限られているため、天然ゴムの裁断くずや切断くず、ゴム引布くず、エボナイトくずなどが該当します。

ゴム引布

布にゴムを貼り合わせたシートで、布とゴムの特性を併せ持った複合材料のこと

エボナイト

硬く光沢をもったゴムで、外観がコクタン(ebony)に似ていることからエボナイトと呼ばれており、耐候性・耐酸性・耐アルカリ性に優れ、機械的強度が強いという特徴があります。

4. ゴムくずの処理方法

ゴムくずの処理方法

リサイクル

ゴムくずは、路盤材やセメントの原料、ゴムチップとしてリサイクルすることができます。ゴムくずを適切な形で処理した後、焼却後に発生した焼却灰を、路盤材やセメントの原料としてリサイクルすることになります。

焼却処理、埋立処理

ゴムくずの多くは、そのままの状態、または選別・粉砕された後に焼却・溶融処理を実施し、最終処分場に埋立されます。

5. ゴム廃棄物の処理料金

ゴムくずの処理費用は、排出されるゴムくずの種類、量、処理方法、業者によって大きく異なりますが、一般的には40~80円/kg程度です。

費用に影響を与える主な要素

  • ゴムくずの種類
  • ゴムくずの量
  • 処理方法
  • 業者

6. ゴムの資源枯渇問題

産業廃棄物としてのゴムくず

現在では、石油資源の枯渇が危惧されており、原油を原料としている合成ゴムも将来なくなる可能性もあります。

そこで、天然ゴムを持続可能な資源とするために様々な取り組みが行われています。国際ゴム研究会が提唱する「SNR-i (Sustainable Natural Rubber Initiative)」では、生産性向上の支援、森林の持続性支援、水の管理、天然ゴムの品質向上、人権や労働基本権への配慮というサプライチェーンに関する5つの領域における指針を設定しています。

ブリヂストンや住友ゴム、東洋ゴム、ミシュランなどが賛同しており、「SNR-i」が求める事項について取り組み、環境・社会と調和した天然ゴムの調達を推進しています。ゴムノキを栽培するためには広大な土地が必要であり、天然ゴムの生産拡大に伴う生態系破壊や森林破壊が問題となっています。

また、2018年10月には企業やNGOが「持続可能な天然ゴムのためのグローバルプラットフォーム:GPSNR(Global Platform for Sustainable Natural Rubber)」を設立するなど、持続可能な資源とするための取り組みが世界的に行われています。

7. よくある質問

Q. ゴムはリサイクルすると何になりますか?

ゴムはリサイクルされると、 靴底やホースなど新しいゴム製品になるほか、道路のアスファルトや建材、燃料などにも生まれ変わります。

Q. ゴム長靴は燃えるゴミですか?

はい、ゴム長靴は多くの自治体で燃えるゴミとして捨てられます。

ただし、自治体によっては分別方法が異なる場合があるので、念のために お住まいの自治体のホームページなどで確認することをおすすめします。

Q. ゴムのサーマルリサイクルとは?

ゴムのサーマルリサイクルは、廃タイヤやゴムを燃やし発生した熱をエネルギーとして利用する方法です。

廃棄物減らす・燃料節約・CO2削減に役立ちますが、有害物質発生やコスト高などの課題もあります。

8. まとめ

今回の記事では、ゴムくずに関する様々な側面を探ってきました。ゴムくずは、環境への影響やリサイクルの可能性など、多岐にわたる課題と取り組みがあります。

持続可能な天然ゴムの生産やリサイクル技術の発展など、今後もさらなる研究と取り組みが必要です。

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