産業廃棄物の基礎知識

産業廃棄物の基礎知識

マニフェストって何?事業ごみの基礎知識を知ろう

2021/10/25

廃棄物を出す事業者が自分達の責任で処理を行い、不法投棄などを防ぐ目的で作られた制度を「マニフェスト制度」といいます。事業ごみを廃棄する際には、利用対象者や目的・違反した時の罰則などを理解しているといいでしょう。

これから、マニフェスト制度の概要や利用方法・書き方・紙マニフェストと電子マニフェストの違いなどをご説明します。

マニフェスト制度とは?

事業の活動で出た廃棄物を「事業ごみ」「産業廃棄物」と呼びます。産業廃棄物の収集や運搬・減量化などの処理・埋め立て処分などを委託する場合、排出事業者が「マニフェスト」を委託者へ交付することが必要です。

マニフェストは「産業廃棄物管理票」ともいい、適正に処理できたことを確認するためのものです。
マニフェスト制度は、産業廃棄物管理票制度ともいいます。1970年に制定された産業廃棄物処理法は何度か改定され、1998年から全ての産業廃棄物にマニフェストが適用されました。

マニフェストの利用対象者とは

マニフェストは産業廃棄物を他人へ委託して処理する際に必要です。廃棄物を出した排出事業者が利用対象になります。複数の会社に委託する場合、その都度、マニフェストを交付する決まりです。

ただし、自己処理をする時や一般廃棄物の時には適用されません。また、都道府県や市区町村に処理を委託する場合など、マニフェストが必要でない場合もあります。

マニフェストの罰則について

マニフェストは産業廃棄物がどこでどのように処理されたかを明確にすることが目的です。不法投棄などを未然に防ぎ、不適切な処理を減らしています。排出した事業者は、自分達が出した廃棄物の最終処分までを確認することが義務であり、それを分かりやすく追えるようになっているのです。

また、収集や運搬・処分を委託した業者から指定期間内に処理報告がない場合、処理状況を確認して、必要な措置や都道府県などへ報告する必要があります。

マニフェストは適正に手続きをしなかった場合に措置命令や罰則があります。例えば、マニフェストを交付しなかった場合や写しの保存をしていない時・措置命令に従わなかった時には罰則対象です。不交付や虚偽記載・保存義務違反・報告義務違反などは、排出事業者と処理業者に刑事処分として、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科されます。

また、産業廃棄物を不適切に処理した場合、都道府県から廃棄物を除去するように措置命令がされるでしょう。その命令に従わなかった時には、5年以下の懲役または1,000万円以下の罰金などが科されます。

マニフェスト利用の流れ

マニフェストを交付する場合、記入用紙は全国産業資源循環連合で購入できます。排出事業者と収集運搬業者・処分業者がやりとりする際のマニフェストが「一次マニフェスト」です。処分委託業者として中間処理や収集運搬・最終処分などのやりとりをするマニフェストを「二次マニフェスト」といいます。購入する用紙は7枚の複写式になっていることが特徴です。基本的に必要事項を記載して、10日以内に相手へ送付します。


電子マニフェストで行う場合は、事前に登録することが必要です。日本産業廃棄物処理振興センターの「JW NET」へアクセスし、新規加入申し込みをします。問題がなければ、加入申し込みの翌日から利用可能です。加入する時の単位も任意となり、排出事業者単体や管轄する本社・支店・営業所など、さまざまな単位で加入できます。

ID番号とパスワードを入力してログインし、「利用開始」の設定をした日が利用開始日です。排出事業者の場合、排出事業者の名称や住所・担当者を設定します。
その後、委託する収集運搬業者名や処分業者名・依頼する産業廃棄物の種類などの設定も必要です。

マニフェストの書き方

(参照:https://www.zensanpairen.or.jp/disposal/manifest/)

マニフェストを交付する排出事業者は、A票を記入します。記載事項は「管理票の交付年月日と交付番号」「排出事業者の名称や住所」「担当者の氏名」です。

そして、産業廃棄物を排出した「事業場の名称と所在地」「種類」「数量」「荷姿」も記載します。
事業場とは、廃棄物を実際に出す現場のことです。種類は、産業廃棄物の詳細が記載されているので、その中から該当する項目をチェックしていきます。

20種の「普通の産業廃棄物」、18種の「特別管理産業廃棄物」などが指定されています。また、有害と無害で分かれている項目は、正確に毒性を選択することが必要です。
荷姿はコンテナやドラム缶・バラ・ポリ容器・袋などを記載します。

「最終処分をする場所の所在地」「運搬委託業者の名称と住所」「運搬先の事業場の名称と所在地」「処分を委託した人の氏名と住所」も記入していきます。
石綿が含有している産業廃棄物の場合、その数量も詳細に記載しましょう。

紙マニフェストと電子マニフェストの違いとは

(参照:https://www.jwnet.or.jp/jwnet/about/system/purpose/index.html)

マニフェストの情報を電子化して、排出事業者や収集運搬業者・処分業者の3者が、情報処理センターを介してやりとりできるのが「電子マニフェスト」です。廃棄物処理法の第13条の2に基づき、「日本産業廃棄物振興センター」が情報処理センターとして指定されています。そして、電子マニフェストの運営をしているのです。

ただし、排出事業者と委託する収集運搬業者・処分業者それぞれが、電子マニフェストに登録することになっていて、基本料や使用料も必要になります。

紙の伝票によるマニフェストは、全ての事業者が利用できることがメリットです。電子マニフェストの登録をしていない事業者、登録ができない環境にある事業者でも利用できます。「今までと同じ方法で行いたい」「コストを抑えたい」という事業者には、紙のマニフェストが向いているでしょう。

2020年8月~2021年7月の1年間において、電子マニフェストの登録件数は、33,723(千件)になっています。電子化率は65%で、年々普及が拡大していると言えるでしょう。

電子マニフェストのメリットは、ヒューマンエラーの防止になることです。入力項目などがシステム上で管理されているため、記載する時の間違いや記入忘れなどを防げます。そして、確認期限間近になると、注意喚起をしてくれるのです。

よって、うっかりミスなどのヒューマンエラーを防げます。処理状況はリアルタイムで確認でき、処理が終了した際に電子メールなどで通知をしていることもメリットです。紙のマニフェストは5年間の保管義務がありますが、電子マニフェストは書類として保管する必要がありません。